骨粗しょう症とは

骨粗しょう症イメージ

骨に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル量は、20~30歳頃の若年期をピークに年を重ねるとともに減少していきます。このように、加齢などが原因となって骨の量が減少し、骨がスカスカになってしまう病気が「骨粗しょう症」です。また女性ホルモンには骨密度の低下を防ぐ働きがあるため、女性ホルモンの分泌が低下する閉経後の女性は骨が弱くなりやすいので注意が必要です。骨密度が低下してもあまり自覚症状が見られないことも多いのですが、骨自体はどんどん脆くなっていくので、ちょっとした転倒や衝撃によって骨折してしまいます。

高齢者が骨折してしまうと、それを契機として寝たきり状態に陥ってしまうこともあるので、早めの治療が大切となります。なお、骨粗しょう症は高齢女性のみの病気と誤解されている方もいらっしゃるようですが、若い女性の中にもリスクの高い生活をされている方がいます。偏食や極端なダイエット、喫煙や過度の飲酒なども骨粗しょう症の原因となりますので、ご注意ください。

お早めに受診ください

全身型骨密度測定器画像

当院では、豊富な治療経験を有する院長が中心となり、骨粗しょう症の治療を進めていきます。高齢者の場合、背骨や大腿骨の骨折に注意が必要なのですが、このようなリスクを減らすため、早期からの骨粗しょう症の予防医療が必要と考えられます。当院では全身型骨密度測定器を用いて腰椎や股関節の骨密度測定を行っております。様々な検査を通じて骨粗しょう症のリスクを判定し、予防医療に努めております。

主な治療法

主な治療法として「食事療法」、「運動療法」、「薬物療法」などがあります。様々な状況をみながら医師が診断を行い、治療を行っていきます。

食事療法

骨粗しょう症の治療や予防に必要な栄養素は、骨の主成分であるカルシウムやたんぱく質および骨のリモデリングに必要なビタミンD、ビタミンKなどです。日本人の場合、特にカルシウム不足の方が多いと言われているので、医師や管理栄養士による栄養指導を受け、カルシウムなどの栄養素を積極的に摂りながら、しかもバランスの良い食生活を送ることが大切です。

運動療法

骨は運動をして負荷をかけることで増加し、丈夫になります。さらに、筋肉を鍛えることで体をしっかり支えられるようになったり、バランス感覚が良くなったりし、ふらつきが少なくなって転倒防止にもつながるため、運動療法を積極的に取り入れましょう。なお、骨量を増やすには激しい運動でなくウォーキングやエアロビクスなどの運動が効果的です。ただし、継続的に行なうことが重要です。散歩などは可能ならば毎日続けることをおすすめします。

薬物療法

骨粗しょう症を予防するには食事や運動がとても大切ですが、病状が進んだケースや閉経後の骨粗しょう症では薬物療法が必要となります。様々な種類のお薬がありますが、骨の吸収を抑える骨吸収抑制剤、骨の形成を助ける骨形成促進剤、さらにはビタミンD製剤、ビタミンK製剤などが代表的です。どのようなお薬を選択し、いつから治療を開始するのかについては個々の患者さまの年齢や症状の進み具合などを考え合わせながら医師が判断いたします。